Q: 離婚協議中の最中、相手方の口車に乗せられて離婚届に署名押印してしまいました。その後、離婚条件の話し合いが予想外に難航しています。ふと、「勝手に離婚届を出されてしまわないか」と不安になりました。何か対処法はありますか?
A: 相手方が無断で離婚届を提出してしまうことを阻止する方法として、「離婚届不受理申出」という手続きがあります。この手続きを取っておくと、相手方が勝手に離婚届を提出しても受理されなくなります。
離婚届不受理申出を行うためには、最寄りの市区町村役場に本人が出向いて手続きを取る必要があります。この際、本人確認を行いますので、運転免許証などを持参してください。手続きを行う役場は、本籍地でも本籍地以外でも構いません。
不受理申出は、原則として、本人がみずから市区町村の窓口に出向いて行う必要があります。病気などのやむを得ない理由により出頭することができない場合には、郵便等で書面を提出して手続きを取ることもできますが、公正証書など確実に本人確認ができる書面を用いなければなりません。
偽造の離婚届によって夫婦の意思に反して協議離婚の届出をしても、その協議離婚は無効です。しかし、後から離婚の効力を争って戸籍を訂正するためには、協議上の離婚を無効とする確定判決等を取得して、戸籍訂正の申請を行わなければなりません。この手続きは煩瑣です。
ですから、無断で離婚届を出されるおそれがある場合には、離婚届不受理申出を行っておくと、後々の面倒事を避けることができます。
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